社員の力を集結し、長期ビジョン「売上高1,000億円」及び「業界内トップ10入り」を目指します。
2017年3月期 社長インタビュー
由木:
当社グループの主力市場である車載分野では、グローバルでの販売活動が功を奏し、カーエレクトロニクス分野では初めて150億円を超えるなど過去最高売上となりました。
電装化や安全運転支援技術の進歩によるADAS(先進運転支援システム)の普及増加により、車載カメラ、ミリ波レーダー向けが堅調に推移、またパワートレイン系では三次元可動BtoBコネクタ“Z-Move ™ ”の販売が増加したことによるものです。
為替相場の円高傾向の影響及び、上期での中華・韓国圏での当社コネクタの搭載車の需要減少や熊本地震による当社お客さまの生産減少等があり、売上高は前期比1.7%減の375億4千7百万円という結果となりました。
損益面では、製造工程における更なる自動化や部品の内製化等の合理化による原価低減が寄与し、営業利益は前期比1.4%増の66億6千1百万円、経常利益は同2.3%増の67億5千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同20.5%増の48億7千5百万円となりました。
由木:
当社は、真のグローバル企業を目指し、次のステージへの飛躍として『顧客第一 業界No.1』を経営方針に掲げ、長期目標として売上高1,000億円達成を目指し、コネクタ・ハーネスを含む接続部品業界内(海外含む)でトップ10入りを目指します。なお、長期ビジョン達成に向けた重点施策は以下の通りです。
上記の長期ビジョンのもと、今回策定した中期経営計画において、以下の重点施策に取組みます。
1. 伸びる市場(車載市場)での売上拡大
2. 既存分野のシェアアップ
3. 海外売上高の拡大
4. インダストリアル市場での重点分野の攻略
5. インダストリアル市場での他社との協業による売り上げ拡大
1. 技術開発、新製品開発、要素技術開発による
Only One 製品の創出
2. 非日系顧客比率の向上
3. 生産拠点の新設
4. TSCM 改革による基盤整備
5. 経営基盤の強化
由木:
当社は、「イリソらしさ」を出せる付加価値の高い製品を市場に供給するという考え方を基本に、更なる電装化また安全・環境への取り組みが進む車載市場向けを中心としながら、
非車載市場であるインダストリアル市場、コンシューマー関連市場を3本柱として、将来を見据えた要素技術の先行開発、顧客を第一とした積極的な製品開発、製品供給の展開、内製化の拡大、さらには増産対応のための新拠点の展開等を進めて参ります。
中期経営計画に合わせ2018年3月期に設備投資7,500百万円を投資する予定です。
■ 売上拡大のための拠点展開(中国・南通に新工場設立)
由木:
2018年3月期には、販売面では、車載市場で、搭載が進む衝突防止等の安全面でのADAS(先進運転支援システム)向けの製品供給の増加を見込むとともに、これから伸びが期待できるパワートレイン分野及びインダストリアル市場向けに注力し顧客開拓も進めて参ります。
売上高は欧米販売拠点を中心に伸長し、400億円(対前期比6.5%増)と見込んでおります。
次に損益面では、物量増により固定費の回収が進むとともに、自動化及び合理化による原価低減の推進による効果の刈取り、さらに進めているキープロセスの内製化の拡大や生産性の向上等による原価率改善が見込めることから、
連結営業利益72億円(同8.1%増)、
連結経常利益72億円(同6.7%増)、
親会社株主に帰属する当期純利益52億円(同6.7%増)
を見込んでおります。(※為替レートは、110円/ドル、120円/ユーロを前提としております)
由木:
当社は、株主のみなさまに対する安定的な利益還元を行うことを経営の重要政策と認識し、業績・経営環境及び中長期的な財務体質の強化を勘案して配当を行うことを基本方針としています。
内部留保については、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、コスト競争力を高め、市場ニーズに応える技術開発・製造体制を強化し、さらにはグローバル戦略の展開を図るために有効活用することを基本方針としています。
なお、2017年3月期の1株当たりの配当金は中間期の市場変更及び設立50周年の記念配当20円と期末配当60円の合計80円とすることといたしました。今後は配当性向30%を目指して参ります。
株主のみなさまにおかれましては、引き続き一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。