当社は長期ビジョンとして「売上高1,000億円、接続部品業界順位世界10位以内」を掲げております。
私たちの事業領域において、車載関連市場では100年に一度と言われる電動化によるパワートレイン部品の増加、自動運転に向けたADAS(先進運転支援システム)の普及による情報量の飛躍的拡大・高速伝送化という2つの大きな変革に加え、「空飛ぶクルマ」の開発加速など、現在の車載市場だけに捉われず、モビリティ市場全体を俯瞰して事業領域を見直す変化が起きています。
またインダストリアル関連市場でも自動化・省人化に向けたFA機器・ロボットの増加に加え、AI市場の急拡大やエネルギーマネジメント分野の更なる普及が見込まれております。
いずれの市場における変化も当社が培ってきた三次元可動並びに大容量情報伝達等の独自技術による当社コネクタ事業を飛躍的に拡大する好機ととらえ、グローバルでの成長市場への展開を重点戦略として、顧客ニーズを先取りするマーケティング、顧客ニーズに対応した顧客密着型営業体制により、お客様の期待を超える「つなげる」を実現する製品開発を進めて参ります。また、生産・サプライチェーンにおいても、グローバル情報ネットワークを活用し、最適生産拠点の決定、集中購買・複数購買、各生産拠点での材料の現地調達、内製化・合理化を推進し、グローバルでのQCD(品質・コスト・納期、Quality Cost Delivery)をより一層強化していくことを目指しております。
当社は、以上の市場環境の変化を確実に捉え、将来的に接続部品業界でグローバルトップ10入りを果たすことで、事業規模の確保とブランドの向上を図り、グローバルでの新規顧客開拓を推進して参ります。
中期経営計画期間の2024~2026年度(2025年3月期~2027年3月期)を、課題克服と成長軌道への回帰に向けた足場固めの3年間と位置付け、2027年3月期に売上高650億円、営業利益率15%超の達成を目指す計画を策定しました。
事業規模拡大において市場別では、販売台数が増加する電動車向けの拡販を加速すると共に、ECU(Electric Control Unit)統合化の流れを掴み製品の市場投入を進めて参ります。また、課題であるセンサー分野(カメラ分野)やインダストリアル市場を飛躍的成長実現に向けた土台づくりの期間と位置づけ、注力分野として2027年以降の飛躍的拡大を推進して参ります。
モノづくり力強化においては、生産性・工場稼働率の向上に努め、設備の共有化、金型内製化の拡大や資材費の低減、設計VEなどを通じコスト削減を進め利益率向上を図って参ります。
「中期経営計画期間」において、当社は、以下の重点施策に取組んで参ります。
・高速フローティングBtoBコネクタによる新規顧客開拓とシェア拡大、商社等活用による販売チャネル拡大、調達品による品揃え強化
・グローバルFAE(Field Application Engineer)による新規顧客開拓、現地対応力強化
・半導体製造装置、エネルギーマネジメント領域の事業構築
・秋田工場稼働に伴う全拠点の体制・役割見直し、地産地消の更なる推進、MES全社展開による生産効率向上
・DX活用による製品・設備・金型設計の生産性向上、設備共有化、金型内製化の拡大
・現地調達、集約購買拡大による資材費低減、樹脂・めっき等の使用量削減
・資本コストを上回るROIC達成を図り、最適な資本構成による投資効率の改善を実現
・成長投資と株主還元のバランスを取り、配当性向40%超または株主資本配当率(DOE)5%程度を目標に株主還元
・人と環境にやさしい経営 ~ 再生可能エネルギー積極利用、リサイクル・再利用の促進
・多様な人財作り ~ 役員・管理職人財の多様化、働き方、処遇改善を通じたエンゲージメント向上
・経営基盤の強化 ~ グローバルリスクマネジメントの強化、デジタル経営基盤の構築、セキュリティ向上